【設備最新情報】

1)ニューロナビゲーターと多機能搭載手術顕微鏡

 2002年1月より当院手術室にニューロナビゲーターシステム(StealthStation TREONTM)が導入され、2005年12月までに頭蓋底手術などの難しい手術に全国一の使用経験を誇っています。  当科に全国から紹介される頭蓋底の難手術(巨大動脈瘤,頭蓋底髄膜腫,聴神経腫瘍,頭蓋咽頭腫など下垂体部腫瘍の手術)には 最新の手術支援装置です。


 ニューロナビゲーターとは手術前に撮影したCTやMRIの情報をもとに、手術中にメスの先の位置、目的とする腫瘍あるいは血管までの方向と距離をリアルタイムに表示してくれるコンピューター手術支援装置です。


 写真(上)のように術野の一部をポインターで示すと、その点のCTやMRIにおける位置をナビゲーター画面に瞬時に表示してくれます。
 これは脳腫瘍で肉眼的に正常と異常の見分けがつかないような場合、その部分を切除するか否かの判断に極めて有用です。 
そればかりでなく腫瘍の各部分や危険な血管等の目標点までの方向・距離を示してくれ、脳深部に病変がある場合など、正確且つ安全に病変部まで導いてくれます。
 これはあたかも
コンピュータナビゲーションを搭載した最新主力戦闘機(ステルス戦闘機)のようです。
 今まで経験に裏付けされた職人技が頼りだった脳外科手術が、より客観的で正確なものになりました。
 藤津和彦部長の指導によって当科は従来より脳の手術においては、県下はもとより全国的にも卓越した経験数と技術を誇っておりましたが、この武器によって職人技にコンピューター誘導装置の支援が加わりさらに最短時間で最小限の手術、すなわち『より安全で精緻で低侵襲な手術』が行えるようになりました。
 同時に手術顕微鏡、ビデオシステムも一新されました。
 
天井懸架式 の最新型手術顕微鏡Zeiss NC4に ハイビジョンビデオシステム を接続し、鮮明に術野をモニタリングできます。
 又、前述の
ニューロナビゲーター の情報や ファイバースコープ(内視鏡) の画像を顕微鏡スコープ内に写し出すことも可能です。
 術中の麻酔科医や看護婦への情報伝達に有力であるばかりでなく紹介医(多くは脳外科医)等の手術見学にも役立っています(写真下)



  天井懸架多機能搭載顕微鏡Zeiss NC4にStealthStation TREONTM やハイビジョンビデオシステムを合体させた最新のシステムは全国で初めての導入です。
 この武器を有効に用いて、脳の難しい病気の手術治療に一層の貢献をしています。


2)リニヤックサージャリー(Xナイフ)

 ガンマナイフと同質のリニヤックサージャリー(Xナイフ)が導入され、2003年6月より試運転を開始しました。
 神奈川県下3台目です。
 深部又は難しい部位の脳動静脈奇形、頭蓋底髄膜腫の切除不能部位、悪性神経膠腫、転移性脳腫瘍、聴神経腫瘍の高齢者手術不能例などに有効です。
 脳神経外科領域のすべての治療が当施設で完結できるようになりました。
 病変の種類によってガンマナイフが良い場合と、Xナイフが良い場合、手術が良い場合、これらの組み合わせが良い場合があります。
 治療方針に関しては十分に相談して説明いたします。

 

3)立体式脳血管撮影装置の更新


 脳血管撮影、脳血管内治療、心臓カテーテルなどに用いる血管撮影装置が2004年4月に更新されました。
  くも膜下出血の原因の脳動脈瘤や脳動静脈奇型 、未破裂脳動脈瘤、あるいは脳腫瘍の栄養血管などを3D(3次元)画像でとらえることができます。  診断と治療の質をより一層向上させることができます。


       



【概況と当科のスタッフ】──────────────── ページの先頭へ

 当科は脳血管疾患はもちろんのこと、救命救急医療分野の診療にも積極的に取り組んでおります。また、日本脳神経外科学会 A項指定訓練施設です。
  藤津和彦副院長(東大医学部卒、日本脳神経外科学会関東支部理事、頭蓋底外科学会理事、脳神経外科手術機器学会運営委員、神奈川県脳神経外科手術機器研究会会長)の方針に基づいて旧来の医局制度や学閥にとらわれずに優秀な脳神経外科医を集めて育ててきました。現在、市川輝夫部長(金沢大医学部卒)、竹本安範医長(横浜市大医学部卒)、武田行広、宮原宏輔、岡田富、橘田要一(前脳神経外科医長、非常勤)の各脳神経外科専門医に脳神経外科志望研修医の善積哲也、遠藤聡、(2年目)、瓜生康浩、川原団(1年目)、神経内科医、と救命救急医が加わって24時間毎日当直体制をとっています。夜間・休日・当直時間帯にも複数の脳外科医が院内官舎に常在し、救命救急センターと常時連携し、オンコール麻酔科医の協力のもとに24時間緊急手術に対応します。したがって脳神経外科としては首都圏近郊随一の強力な診療体制を維持しています。研究教育面では脳腫瘍の病理学で全国的に著名な柳下三郎先生(現:神奈川県立総合リハビリテーション病院病理検査部長)を月1回お招きし、神奈川県下の大学病院や脳神経外科施設の先生方が病理診断が困難な症例を持ちより、当院の新野検査科部長、椎名放射線科部長を交えて柳下先生の御指導のもとに脳腫瘍病理カンファランスを行っています。(原則的に第4金曜日PM5時から)
  当院脳神経外科研修希望の方は学生さんも歓迎しますので、遠慮なく1度見学にきてください。見学に関しては椎名臨床研修部長または当院脳外科スタッフの誰にでも御連絡ください。



【診療圏と当科の特色】───────────────── ページの先頭へ

当院は横浜、鎌倉、藤沢、湘南地方と逗子、葉山、横須賀、三浦半島にまたがる広い診療圏を持つ国立病院で、県下に国立大学病院が無いこともあって、1993年藤津部長着任以来当脳神経外科ではどの大病院よりはるかに多くの難しい脳手術を行い(病床42、2005年度脳外科手術277)、他施設との診療連携を密にしています。 当科に入院される患者さんの殆どは大手術を必要とされて県内外の施設や大学から紹介されたり、救命目的で近隣から救急搬入される方です。 同質の治療を他施設でも受けることのできる疾患や手術を必要としない患者さんは診療連携により他病院へ紹介をすることがありますので、この点は何とぞご理解下さい。
 2004年4月に病院の名称(国立横浜医療センター)の前に独立行政法人国立病院機構と難しい前書きが付きました。従来のお役所的規制から脱して施設の独自性を獲得してゆくつもりです。しかしながらまだスタートしたばかりで充分な独自性を発揮するまでに至っていません。病棟の老朽化が最大の悩みですが、いよいよ2007年から500床の新病棟建設がスタートします。しかし現時点でも前述の如く脳神経外科手術室とその関連部門は最新の設備を誇っていますのでご安心下さい。


 

【手術患者さんの内訳と手術成績】──────────── ページの先頭へ


2005年度一日平均入院患者患者数42人、年間総手術数277例(Xナイフなどのラジオサージャリーは含まない)。 手術の内訳は脳腫瘍(眼窩内腫瘍を含む)と破裂及び未破裂脳動脈瘤を中心とする脳血管障害が大部分を占め(2005年度開頭脳腫瘍手術115例、開頭脳動脈瘤手術85例)、これら脳神経外科二大疾患の手術数は首都圏近郊で毎年突出して上位を占めています。(詳細は厚生省手術件数調査を扱った週刊朝日2002年8/16.23.30号、2003年9/5号、日経新聞2004年1月12日朝刊等を参照下さい。また後述の施設基準の項を参照下さい。)

★ 救急手術は、
クモ膜下出血の原因である 破裂動脈瘤、動静脈奇形、脳出血が多く、これに外傷性頭蓋内出血、慢性硬膜下血腫などが続きます。破裂脳動脈瘤等の救急手術は術前の重症度によって後遺症が決定されるので総括的に成績を論じても意味がありませんが少なくとも手術死亡例や手術による直接の悪化はありません。

★ 予定手術は未破裂脳動脈瘤、脳腫瘍(後述の如く手術の難しい頭蓋底部の各種腫瘍、神経膠腫、 血管芽腫、海綿状血管腫、類皮腫 等)、 脊髄腫瘍 と顔面痙攣、三叉神経痛の手術が多くを占めます。
いずれも手術目的で紹介されることが多いのですが、殆どの手術で脳の圧排を最小限度にする(低侵襲手術) 目的で藤津部長によって開発され学会・論文発表された多くの新しい
頭蓋底顕微鏡手術法(眼窩頬骨法、正中頭蓋底法 等)が行われ2005年度手術死亡0例、重篤合併症0例です。特に難しい頭蓋底腫瘍の手術では[設備最新情報]で紹介した多機能搭載手術顕微鏡とコンピューターナビゲーション装置が偉力を発揮しています。また Xナイフも手術後療法や転移性腫瘍の治療に役立っています。 これらの手術成績は他施設には追従できないものなのですべてHi-Visionテープに収録されており紹介医や患者さんの希望に応じて貸し出しています。

★ 難しい
頭蓋底の腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、聴神経腫瘍、頭蓋咽頭腫、巨大下垂体腺腫などは藤津部長の最も得意とする分野なので各地から紹介されますが中でも眼窩周辺腫瘍は藤津部長が全国最大の累積140例を経験しています。これらの腫瘍は原則的に全摘をして根治を目指しますが海綿静脈洞に進入する髄膜腫のように各種の脳神経障害が予想される部位では神経周辺の腫瘍を小部分残し ラジオサージャリーを追加することがあります。ラジオサージャリーのうちXナイフは当科で行い、ガンマナイフは県下2施設と提携しています。Xナイフとガンマナイフといずれが適しているかは病変の性質によって異なりますので十分検討して説明しています。また重粒子線療法やサイバーナイフにもいくつかの提携病院を持っています。 頭蓋底のその他の部位、 あるいは円蓋部(頭の上の方)の髄膜腫は全例において手術で全摘し、全く後遺症なく社会復帰しています。

聴神経腫瘍の大きなもの(3cm以上)ではいかに大きい腫瘍でも全て手術で全摘し 、 顔面神経を温存し後遺症なく社会復帰しています。小さいもの(2.5cm未満)では顔面神経だけでなく 聴力温存にも工夫し、全体で3分の2の症例に有効聴力を温存しています。特に1.5cm以下の症例では2003、2004、2005年度全例 に有効聴力を温存できています。有効聴力を温存できるかどうかは術前に悪い方の耳で電話が十分に聞こえるかどうかが目安になります。 一方、ガンマナイフ治療では腫瘍は完全に消失することはありませんし、最近の研究では2000例に1例の割合でガンマナイフ後の悪性化(癌化)が問題になっています。したがってよほどの高齢でない限り、聴神経腫瘍の治療は手術が優先すると確信しております。 しかしこの手術は術者によって成績に著しい差が生じますので注意することが重要です。 このことは頭蓋底の難しい腫瘍として挙げた腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、巨大下垂体腺腫)全体に共通していえることなので術者の経験と成績を詳細に確認する必要があります。 なお高齢や著しい合併症のために全身麻酔下の手術が不能な例はガンマナイフやXナイフを勧めることもあります。

間脳下垂体腫瘍のうち頭蓋咽頭腫では藤津部長が開発し学会・論文発表した前述の各種の頭蓋底顕微鏡手術でほとんどの症例で全摘が行われます。 時に難治例に遭遇しますが、そのような例でも追加手術、ガンマナイフ、Xナイフによって現在まで手術死亡0、重篤合併症0です。
特に小児例ではその後の成育を考えて放射線・化学療法を行わずに手術だけで正常成人へ成長させる工夫をしています。 小児例では術直後には尿崩症のコントロール等、大変な時期もありますがこれを乗り越えると全例が日常生活に復帰しています。 成人に達すれば難治例にはガンマナイフやXナイフを考慮します。

下垂体腺腫 に対しては巨大例で開頭、微少例で経鼻手術を行います。いずれも、多機能搭載顕微鏡が偉力を発揮し、手術顕微鏡、コンピュータナビゲーション装置、内視鏡、X線透視装置などが用いられます。 本腫瘍は良性であるにもかかわらず学会でも報告される如く5%程度に再発が認められ、中には数回以上も再発を繰り返し治療に難渋する例があります。 難治例には経鼻手術追加、投薬、ガンマナイフまたはXナイフでコントロールしています。

★ 今まで述べた腫瘍は、手術は難しいが病理組織学的には良性の腫瘍です。 言い換えると難しい手術を術者の経験と技術で乗り越えれば完治の望みもある病気です。 これに反して
神経膠腫(グリオーマ)、胚芽腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍などは手術に放射線・化学療法を追加してもなお悪性度の高いものでは1−2年で再発悪化を示し、その悩みは全国脳神経外科施設で全く変わりません。
ただし当科ではコンピュータナビゲーション装置やXナイフのおかげで
広範切除術が若干の好成績を示しています。 また当科のように手術が中心の施設では悪性腫瘍の末期の患者さんやその御家族には満足の頂けるような終末医療を提供することは難しいのが現状です。患者さんや御家族の希望を確認した上でできるだけホスピス等の専門の施設を御紹介するようしています。

脳ドック等で発見され、紹介される未破裂脳動脈瘤は年間約50例です。前述の如く、この治療症例に関しても首都近郊で毎年突出して上位を占めています。 開頭手術と血管内手術(コイル塞栓術が主)とのいずれを選ぶかは瘤の部位、大きさ、形状を十分検討して患者さんと相談します。年間破裂率が2−3%と言われても患者さんにとっては100%か0%の問題です。又、手術合併症が何%と言われてもそれは術者次第の数字です(後述のセカンドオピニオンの項を参照下さい)。いずれにしても未破裂脳動脈瘤が発見された患者さんの精神的不安は想像以上で、仕事につかなくなったり“うつ”状態になったり何とか解決してあげないと快適な生活を送ることが出来なくなります。
ただここで藤津部長が学会等で常に主張している重要な点がいくつかあります。
一般の人たちにとっては大変詳細な議論になりますが、患者さんにとっては御自身の運命を決める大変大事な議論ですので注意して読んでください。 まず第1に、カテーテルによる塞栓術は頭を開かなくてすむ分安全であるという先入観が患者さんの側にある事です。
これが大変な誤解であることは内視鏡手術やカテーテル手術で生命に関わる合併症が最近相次いで報告されていることでも理解できると思います。
開頭や開腹を伴わないこれらの処置はいったん大出血等の事故が生じると取り返しのつかない事態にもなりかねません。
頭を開いていればたとえ大出血が生じても迅速に対応でき、命にかかわる事態は防げますがカテーテル治療中にそのようなことが起きれば自然に止まるのを期待するか、さもなくばすぐに手術室に運んでそれから1−2時間かけて開頭するかしかありませんが、それではたぶん手遅れになるでしょう。
前述の如く動脈瘤手術も全てHi-Visionテープに収録してあり、患者さんの希望に応じて貸し出していますが、少なくみても3人に2人の動脈瘤は部分的にきわめて危険な薄い壁を持ち、中の血流が透見できるほどです。この部位にコイルが当たれば容易に破裂するでしょう。しかも術前の血管撮影では動脈瘤の壁の薄さまでは判定できないのです。
次に重要な点は経験数の差です。たとえば藤津部長は1800例を超える脳動脈瘤の手術経験がありますが、カテーテル治療を1500例以上やっている人はまずいないだろうと思います。なぜならこの治療法が始まって、15年以上年間100例を越える症例をこなした人はまずいないだろうと思われるからです。
しかしカテーテル治療しか方法のない例もあります。
重篤で開頭手術に耐えられない例、手術不能例などです。
しかし手術の大変難しい動脈瘤の多くは瘤が大きくしかも瘤の頚部が広いタイプです。 このような例はカテーテル治療でもコイルが安定せずに流れ出して脳の血管を閉塞し、脳梗塞を生じる危険性も高いのです。
特に内頸動脈と脳底動脈の
巨大動脈瘤 (2.5cm以上)は治療が極めて難しいものです。 当施設では巨大動脈瘤は15-20%の合併症を残しています。 それでも他施設の巨大動脈瘤における悲惨な成績に較べれば圧倒的な好成績であると学会では評価されています。 それ以外のラージまたは通常の大きさの未破裂動脈瘤では過去5年以上死亡例0重篤合併症例0と全国的にも卓越した成績を残しています。(日経新聞2004年1月12日朝刊参照下さい。)これに対してカテーテル治療中に生じた動脈瘤の破裂や脳梗塞などの重大合併症は多い施設で10%、少ない施設でも3%と報告されています。カテーテル治療における治療不完全例(動脈瘤を充分に閉塞できなかった例)や再発例(動脈瘤の中にせっかくできた血栓があとで溶けてしまって又再び動脈瘤ができてしまったという例)を含めると30〜40%にも達しています。これに対してカテーテル治療の合併症や再発率は多い施設では10-20%、少ない施設でも4-5%と報告されています。したがって安全に手術できる部位の動脈瘤には原則的に開頭手術治療を勧めています。どうしても血管内治療が必要な患者さんに対しては【設備最新情報】で紹介した血管撮影装置を使用し、専門家を招聘して行うことにしています。

顔面痙攣や三叉神経痛の手術においても当施設では過去に1例も死亡例、合併症例はありません。 これらの疾患は直接生命を脅かすわけではないにもかかわらず手術によって脳に大きな損傷を与えてしまい、命にかかわる重大な後遺症が残ってしまったという話を時々耳にします(後述のインフォームドコンセントの項を参照下さい。) ので、慎重に手術を受ける脳外科医と施設を選ぶ必要があります。当科では前述の如く合併症は1例もないのですが手術効果が 満足のゆくものでない例が10例に1例くらいあります。 このような手術効果不足例の頻度は専門の学会で報告されている頻度とほぼ同じです。 その原因はいろいろの説がありますがまだ十分には解明されていないようです。 この点をよく説明を受けてご理解の上で手術を決断するようにしてください。

 

【インフォームドコンセント、セカンドオピニオン等について】─── ページの先頭へ

 最近の問題の1つは脳ドック等で発見された無症候性未破裂動脈瘤の手術で、2つ目は三叉神経痛顔面痙攣のように生命を直接脅かすわけではない疾患の手術です。  血管内治療や手術によって致命的合併症を生じたという話を時に耳にしますが、幸いにして当科では今まで後遺症を残してはいません。
 しかし血管内治療にしても開頭手術にしてもいずれも手術である以上絶対という保証はどんな名医でもできませんし、中には巨大動脈瘤のように極めて難しい病変で後遺症を覚悟しなければならないこともあります。
  また血管内治療が良いか手術治療が良いかの相談にも応じています。
 前項の未破裂動脈瘤の項も参照下さい。セカンドオピニオン外来等で充分に相談されてから治療を決断されるようにお勧めします。
 これに関連して最近特に話題となっている
インフォームドコンセント(informed consent):十分な説明のもとに同意承諾する、evidence-based medicine(EBM):客観的事実に基づいた医療、セカンドオピニオン(second opinion):一施設の治療方針の説明だけでなく他施設の意見を聞くシステム、等についての考えを述べさせて頂きます。
  当科外来にもセカンドオピニオンを求めて来院される患者さんが増えています。 元の病院でどのような説明をされているか聞いてみて大変気になることが一つあります。 Evidence-based medicineを行おうとする医師の姿勢は大いに評価できますが、外科系、特に手術に関する説明において
教科書的、全国統計的死亡率や成功率を引き合いに出されていることが多い点です。
 内科治療ではそれでも充分にEvidenceとなるかもしれませんが、手術(血管内治療を含む)は端的に申し上げれば術者の腕前にほぼ100%依存するものです。
  患者さんが本当に求めているEvidenceとは、眼前の脳外科医とその施設の脳外科の
経験数とその成績であるはずです。
 これは血管内治療やガンマナイフにおいても同じです。
 脳神経外科医1人の手術経験数が最近極端に減少しつつあり、しかも血管内治療は未だ不完全で不確実な治療であるというのが現状ですが、幸い当科は経験数、成績ともに卓越しております(後述の施設基準をご参考下さい)ので手術に関する相談には自信を持ってお答えできます。
 藤津副院長の指導のもとに市川部長、竹本医長をはじめ全医師が他施設の追随を許さない経験数を重ねています。


 


【14年度厚生労働省設定の施設基準等について】─────── ページの先頭へ

平成14年度、厚生労働省は手術やカテーテル手技などに施設基準という制度を設けました。
 たとえば脳神経外科の代表的な大きな手術である
脳腫瘍手術、脳動脈瘤手術、広範頭蓋底手術では年間手術数を各々50例以上、50例以上、5例以上という基準を設けました。
 この基準に満たない施設では各々本来の手術点数の70%しか診療点数を与えないとし、これを施設基準としました。
 医療費削減の一つの方策です。
 神奈川県下では上記すべての施設基準を満たす脳神経外科は当施設を含めて2〜3施設しかないといわれており、また当施設以外は全て私立大学病院です。
 施設の手術経験数は患者さんにとって重大な情報ではありますが、これが施設に与える診療点数と結びついているので現在なお大いに議論されているところです。
 脳外科医個人の技量を判定するものではないという点と同時に、経験の多い施設では100%の手術ができ、経験の少ない施設では"3割引き"に応じた手術しかできないのかと批判する人もいます。
 脳外科学会においても手術症例数の少ない大学病院等が中心となって反対運動が生じました。
 その為この施設基準は現在では年度毎に見直しが行われ、結局全体として基準が大幅に引き下げられてしまいました。
 しかし患者さんが手術を依頼する施設を選ぶときには、当該施設が御自身の病気の手術をはたしてどの程度経験し、そしてどのような成績であるかということは重大な関心事です。
 遠慮なく
医師個人の経験数と成績をお聞きになる方がよいでしょう。
 特に、ややもするとどの医師が手術するか曖昧で且つ手術技量よりも研究業績が重視されがちな大学病院等では手術をする医師を確認し、その医師の経験と成績を示してもらうことも大事です。
 この点に関してご不満があれば当院外来では常時相談に応じています。
 



【外来について】──────────────────── ページの先頭へ

外来診療担当はこちらをご覧下さい。

  月、火、木は定時手術日のため救急以外はできるだけ他の曜日に受診されるようお願いいたします。
 ただし紹介やセカンドオピニオン、手術依頼等は金曜以外にも毎日対応します。
 詳細は月−金の午前中、脳神経外科・神経内科外来ナースにお問い合わせ下さい。  緊急でない場合は神経内科医が初診することもありますのでご了解ください。
 土、日、夜間:救命センターと連携して緊急入院、緊急検査、緊急手術に24時間対応します。

 


【脳ドックについて】───────────────── ページの先頭へ

 2006年9月より更新された高性能,高速MRIが稼働しております。これに伴って中断していた脳ドックを再開致します。当院の脳ドックはもっぱら脳動脈瘤の予防治療を目的としたものであり,脳出血や脳梗塞の予防や生活指導,投薬を行うために行うものではありません。未破裂動脈瘤の発見と治療を目的とされる方を対象としております。詳しくは地域医療連携室へ平日午後1時〜4時の間にお問い合わせになり,脳ドックの案内・申込書をお受け取り下さい(郵送致します)。
 
 


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