No.9 薬 用 量
 
薬を正しく服用するため、今回は『薬用量』についてお話します。

発 行:国立横浜病院薬剤科 1998年5月発行

1.薬用量とは
薬には、病気を治療するために十分に効果を発揮するための量があります。これを『薬用量』と言います。薬用量は、薬の種類によって違いがあり、ほんの耳かき一杯の量で十分な薬もあれば、大量に服用しなければ効果が現れない薬もあります。また、同じ薬でも疾患・症状によって薬用量が違う場合もあります。さらに、薬に対する効果は個人差があるため、同じ作用を得るのに必要な薬用量も服用する人によって異なります。
これらの薬用量の違いを説明します。
2.薬用量の違い
薬用量は、大人と子供では違いがあるように、高齢であったり、肝臓や腎臓などに異常がある場合は、薬が代謝・排泄されにくくなって、結果的に通常の薬用量では薬の量が過剰になってしまうこともあります。薬の量が患者さん個々の適切な量になるために、医師は問診や体の機能を検査して、病気を診断し薬用量を決めています。また、現在服用している薬がある場合(他院他科でもらっている薬及び市販薬)は、薬の相互作用も考慮に入れて薬用量を決めなければなりません。自分に適した薬用量を決定するためにも持病があったり、過去に病気をしたことがあれば、あらかじめ診察時に必ず報告しておきましょう。
3.疾患による薬用量の違い
同じ薬でも治療する病気によっては薬用量の違いがあります。例えばアスピリンは、普通一般に解熱・鎮痛の目的でよく使わますが、それ以外にも少量を服用する事で血液をさらさらにし血栓を予防する効果もあるといわれており、この効果を期待して病気を治療する事もあります。
4.自己判断で薬の量(薬用量)を変えないで下さい。
医師は、病気の原因や現在の症状に併せて薬の量(薬用量)を決めています。自分の判断で服用量や服用回数を変えると薬の効果がなくなったり、副作用が現れたりすることがあります。たとえば、胃潰瘍の人が胃の痛みがなくなったという理由から途中で薬の服用を止めたり、少ない量で服用したりすると、再び痛みがでることもあります。逆に、早く病気を治そうと思い、服用量や服用回数を増やしたり市販薬を併用した結果、薬用量が多くなり副作用が現れる場合もあります。医師はその人に必要な薬の種類と量、さらに服用期間を決めていますので、医師の指示なしで服用量や服用回数を調節したりすると、治療の妨げになったり、場合によっては危険なこともあるので、自己判断で薬の量(薬用量)を変えないで下さい。
5.用法・用量を守りましょう
薬は用法・用量正しく理解していないと、服用量や服用回数を間違え薬の十分な効果を発揮できなくなります。薬を正しく服用することは、病気の治療に必要不可欠な事です。自分の薬は、医師・薬剤師からよく説明を聞いて用法・用量を理解しておきましょう。薬を服用する際は、薬についている説明書や薬袋の注意をよく見て、もう一度用法・用量を確認するくらいの気持ちが大切です。
6.適切な薬用量を守りましょう
適切な薬用量を守ることは、病気をより早く治すためでもあります。そのためには、
@  医師または薬剤師から十分な説明をうけて、指示どおり服用を続けて下さい。
A  薬を使う目的、服用量を医師・薬剤師からよく聞いて理解しておきましょう。
B  診察を受ける時には、現在服用中の薬や(他院他科でもらっている薬及び市販薬)生活習慣など必ず報告しましょう。
C  薬の服用方法・服用量について疑問があったらそのままにしないで、医師・薬剤師に積極的に聞いて下さい。
        
        

            No.1 薬の飲み方
            No.2 薬を飲む時
            No.3 薬の保管  
            No.4 薬の剤形と特徴
            No.5 薬の相互作用
            No.6 薬の副作用  
            No.7 薬の飲み忘れ
            No.8 くすりの投与経路
            No.9 薬 用 量
            No.10 くすりの工夫(DDS)
            No.11 医療用医薬品と一般用医薬品
            No.12 妊娠とくすり
            No.13 かぜと薬
            No.14 花粉症とくすり
            No.15 めぐすりの話
           
        


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