最近、テレビや新聞で、薬の副作用について取り上げられることが多くなりました。また、薬局の窓口でも患者さんから薬の副作用について尋ねられることが増えてきました。そこで今回は、薬の副作用について取り上げてみました。
発 行:国立横浜病院薬剤科 1997年11月発行
◎副作用とは
種々の薬が開発されたことにより、多くの病気の治療や予防ができるようになりました。
しかしながら、本来の薬の効果と異なった好ましくない作用が現れてしまうことがあります。これを副作用と呼んでいます。
副作用のうち比較的頻度の高いものは、発疹、胃腸障害、眠気、口渇などです。
例えば、かぜ薬にはせきや鼻水を抑える成分が加えられていますが、同時に眠気という副作用をおこす働きがあります。このような薬を服用している場合は、自動車の運転や高いところでの作業は避ける必要があります。
薬は、開発される段階で効き目と共に副作用についても十分に検討されており、副作用の発現する割合はそう高くはなく、過度に心配する必要はありません。また、新聞などで、報道される重い症状が現れることはめったになく特殊な薬に限られています。
薬の副作用は、同じ薬を服用すればすべての人に現れるのではなく、副作用の有無や症状の程度には個人差があります。この理由は、薬を服用する人の体質、病状、年齢、性別などによって違ってくると考えられています。
次に副作用の代表的な例として、胃腸障害と発疹について説明します。
◎胃腸障害
薬の多くは、口から飲んで、食道、胃、腸などを通過する内服(経口)剤です。そのため、食欲不振、吐き気、嘔吐、胃痛、便秘、下痢、口内炎口内炎、胸やけなどが現れることがあります。胃腸障害を起こしやすい主な薬は解熱鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質などです。これら胃腸障害は、内服薬の服用時間を食後または食直後にしたり、胃腸薬を併用することによって、防止したり、症状を緩和することができます。
◎発疹(薬物アレルギー)
花粉、ダニ、動物の毛などのアレルギーにより花粉症や喘息を起こす人がいるように、発疹は、一部の人におこる薬のアレルギーと考えられています。
症状は、発疹の他に発赤、かゆみ、発熱、光線過敏症などがあります。また、ある薬に過敏な人は、同じ系統の薬でも薬物アレルギーがおこることがあります。以前に薬を服用して薬物アレルギーを起こしたことがある人は、必ず、医師に報告することが大切です。
◎副作用の予防策
副作用はすべての場合に現れるわけではなく、対策を講じれば防止できるものがほとんどです。
副作用がでるのをおそれるあまり、薬を勝手に中止したり、服用量を減らしたりするのは禁物です。医師は指示どおりに服用していることを前提に治療をすすめますので、勝手な判断で服用法を誤ると治療に支障をきたすことがあります。また、薬を多く飲んだりしたために副作用が現れることがありますので、用法通りに飲むことが大切です。
以下に、副作用を防止するための注意をあげておきます。
1、 診察を受ける時、持病、アレルギー体質の有無、妊娠の有無、現在内服中の薬の有無や種類などを医師にかならず伝えるようにしましょう。
2、 薬は医師・薬剤師が指示したとおりに正しく服用し、勝手な判断で服用しないようにしてください。
3、 薬袋に書かれた文章をよく読んでおきましょう。特に服用する時に注意が必要な薬には説明書が付いています。それをよく読んでから服用することが大切です。
4、 過去に服用して、なんらかの副作用が現れた薬があれば、医師・薬剤師に伝えましょう。
5、 医師に無断でほかの薬を併用しないでください。
6、 他人の薬をむやみに飲むのはやめましょう。
薬を服用して、体になにか異常(発疹、発熱、吐き気、下痢、めまいや、その他体の変調)が現れた場合には、些細なことでも医師・薬剤師に相談することが大切です。
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