「剤形」とは?
薬は、使いやすく、治療の効果が最大限に得られ、また副作用を出来るだけ防げるように作られており、その形を「剤形」と呼んでいます。
剤形は、内服薬・注射薬・外用薬とに大きく分けられます。今日では、1日に1〜2回使用すれば治療効果が得られるように作られた持続性製剤(徐放性製剤)や、テープとして胸などに張りつけ、皮膚から薬を吸収させる経皮吸収治療システム(TTS剤)も登場しています。これらの剤形は、治療の目的に応じて使い分けられます。また外用薬には、使用した部位にのみ作用するものと、吸収されて全身に作用するものがあります。
今回は特に外用薬の多彩な剤形と特徴について紹介します。
発 行:国立横浜病院薬剤科 1997年7月発行
◎軟膏剤,液剤,ローション剤等(ぬりぐすり)
軟膏剤・液剤は皮膚などに用い、ローション剤(一部の液剤も含む)は頭部や爪など軟膏剤の使いにくい部位に用います。またローション剤は、使用前によく振る事が大切です。この他に口の中、眼の結膜に用いる特殊な軟膏剤もあります。それぞれ使用時には患部を清潔にしてから塗りましょう。
◎はり薬
打ち身・ねんざや腰痛などの時に痛みや腫れをとる目的で用いる薬(シップ剤)や、狭心症の発作予防の目的で用いる薬(TTS剤)や、口内炎の時に口の中に用いる薬(貼付剤と呼ばれるもの)などがあります。また、シップ剤には大きく分けて2種類があり、患部に熱があって腫れている時に用いる冷シップと、腫れが無く慢性的な痛みの時に用いる温シップがあります。
かぶれた場合は、自分だけで判断せずに、医師または薬剤師にご相談下さい。
◎吸入薬
薬を口に噴霧した後、深呼吸する事により気管支に直接作用し、気管支喘息などに使用します。主に気管支粘膜に対して作用しますが、使いすぎると心臓に負担をかける薬もありますので、使用方法・回数は、よく説明を受けて医師の指示を必ず守って下さい。
◎噴霧薬
口、皮膚に用いられるスプレータイプのものです。中でも狭心症の発作時に用いるものは指示された使用回数を守り、症状が改善されない場合は主治医にご連絡下さい。
◎点眼薬(めぐすり)
点眼薬は清潔に保つ必要があるので、容器の先端をまぶたやまつげにつけたり、他の人との共用はやめてください。他の剤形に比べ、汚染や安定性などに問題があるので、指示された期間内に使用して下さい。
特に医師から指示が無く、複数の点眼薬を用いる場合は、5分ほど間隔をあけて使用し、その順番を気にする必要はありません。
また薬剤を溶かしてから用いるものもありますので注意が必要です。
◎点鼻薬,点耳薬
点鼻薬には鼻炎やアレルギーなどの薬があります。また点耳薬には殺菌や消炎などを目的とする薬があります。ともに直接患部に薬を作用させて治療するので、内服薬に比べて全身に対する副作用が少ない等の利点があります。
その他に特殊なものとして、鼻粘膜から吸収させて全身に作用する点鼻薬もあります。
それぞれ他の人との共用はやめて、患部をきれいにしてから使用して下さい。
◎トローチ
口やのどの炎症部位に作用するものです。飲み込んだり、かみ砕いたりすると薬の効果が得られませんので、口の中で少しずつ溶かすことが大切です。
◎うがい薬
口やのどの消毒に使われるものです。粉状と液状のものがあり、1日4〜5回、その都度水に溶かして使用します。また帰宅した時にも使用すると効果的です。
◎坐薬
肛門に挿入し、体温や分泌液によって薬物が溶けだして効果を示します(入りにくい時は、坐薬を手で少し温めると入れやすくなります)。主に痛み止め、下剤,痔の薬などがあります。排便後に使用することが基本ですが、下剤の場合は指示された通りに使用して下さい。
◎膣坐薬・膣錠
膣内に奥深く挿入して使用します。坐薬やふつうの錠剤に似ていますので間違えないようにしましょう。
今回は内服薬に比べて使い方がやや複雑な、外用薬の剤形とその特徴について特集しました。紙面の関係で主なものしか取り上げられませんでしたが、薬には目的に応じて様々な剤形がある事をご理解頂けたでしょうか。またご自分が使っている薬について、もっと詳しく知りたいという方は、ご遠慮なく薬局窓口までお越し下さい。
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