No.3 薬の保管
 
お薬を安心して飲んでいただくために、今回は「薬の保管について」の話です。

発 行:国立横浜病院薬剤科  1997年5月発行

食べ物に保存方法や賞味期限があるように、薬も一定の期間がすぎたり保管条件が悪いと変質したり、効果が落ちたりします。そのため薬の正しい保管を行うことは、薬の効きめを保つ上で大切なことです。
◎ 保管方法・場所
薬の保管条件に悪い影響を与えるものとして温度・湿度・直射日光などがあります。薬の保存には、散剤、錠剤、カプセルに関わらず空缶などに入れたうえ乾燥剤を加えておくように、特に夏季・梅雨の季節には注意してください。光線(蛍光灯の光もふくめて)は、薬の分解をひきおこし、変化させることがあります。薬の包装は、光線の透過をなるべく防ぐようになってはいますが、直射日光の当たる所に置くのは避けるべきです。
錠剤、カプセルの薬はあらかじめ包装から出しておかず、服用するときに必要分だけ取り出して下さい。
さらに、薬は温度によって影響され変質してしまいますので注意が必要です。たとえば異常な高温になる密閉された車の中、窓際、暖房機のそば・高熱の出る台所などは避けて冷暗所に保存して下さい。 液剤や点眼剤、坐薬は、湿気・日光・高温を避けビニール袋などにくるんで冷蔵庫に入れておきましょう。
薬を入れた缶、瓶、また点眼剤や軟膏のチューブなどの蓋やキャップなどは必ずきちんと閉めることも大切です。
※ 特に注意して保管する例としてインシュリンとニトログリセリンがあります。
◎ インシュリン製剤
糖尿病の治療に用いられる薬で、高温状態に長く置くと薬の成分が 分解してしまい、それを使用した場合はアレルギーや高血糖の症状をおこすことがあります。逆に薬が凍結すると効力が低下します。インシュリン製剤は、凍結しない温度に設定した冷蔵庫に保存し、携帯するときは身体に密着させないように気をつけましょう。ただし、短期間の旅行中は室温で保存して差し支えありません。
ペン型(ノボペン)にセットしたインシュリンは、冷蔵庫に保存すると機械が故障するおそれがありますので、室温で保存して下さい。
◎ ニトログリセリン錠
狭心症発作の緊急薬ですから、効き目が落ちたりすると大変危険です。非常に揮発性の高い薬ですから、未開封の瓶は必ず冷蔵庫に保管してください。一方、ニトログリセリン錠は常に手の届く場所に置いておく必要のある薬です。携帯時には身体に密着させない(例えば体温が伝わるシャツのポケットには入れない)、使用後は容器をよく密栓する、本人以外の家族も薬の保管場所を知っておく、などの注意が必要です。
また、開封後三ヶ月以上たったニトログリセリン錠は必ず新しいものと交換するようにして下さい。
◎ 使用期間
薬には使用期間がありますので、一定の期間が過ぎることで変質したり効果が落ち知らずにこれを飲むとたいへん危険です。 病院でもらう薬は、投与日数が過ぎたら原則として使用せずに少なくとも処方日のわからない薬は棄てて下さい。できれば前回の調剤された薬と一緒にしないで薬袋の日付をパッケージなどに書き入れ、前回調剤された薬から飲むようにしてください。
薬はその人のその時の病気に対して調剤されたものですからその期間が原則として使用期限となります。特に水薬や粉薬は有効成分の分解が早いので注意する必要があります。
◎ その他の注意
小児が薬を誤って飲んでしまう事故は、後を絶ちません。誤飲の原因となる薬や他の生活用品は、すべて子供の目や手の届かない場所(高さ1メートル以上の所)に保管して下さい。薬と生活用品(洗剤、化粧品など)を同じ場所に置かないようにしましょう。
医師の処方による薬は他人にゆずってはいけません。薬を使用する必要がなくなった場合はすみやかに棄てるようにしましょう。
        
        

            No.1 薬の飲み方
            No.2 薬を飲む時
            No.3 薬の保管  
            No.4 薬の剤形と特徴
            No.5 薬の相互作用
            No.6 薬の副作用  
            No.7 薬の飲み忘れ
            No.8 くすりの投与経路
            No.9 薬 用 量
            No.10 くすりの工夫(DDS)
            No.11 医療用医薬品と一般用医薬品
            No.12 妊娠とくすり
            No.13 かぜと薬
            No.14 花粉症とくすり
            No.15 めぐすりの話
           
        


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