患者さん向けのパンフレットということで、発行第一号の今回の特集は、知られているようであまり知られていない「薬の飲み方」についてです。
発 行:国立横浜病院薬剤科 1997年2月発行
◎錠剤やカプセルは包装から出してお飲み下さい。 まさかと思うかもしれませんが、包装をはずさずに飲んで、のどや食道を痛める方が時々いらっしゃいます。特に高齢者には、ご家族の方が注意してあげて下さい。
◎薬は必ず水またはぬるま湯で飲んで下さい。 水なしで薬を飲んだ場合、薬が食道にくっついたまま溶けだし、食道の粘膜を荒らして食道炎を起こしたり、胃の中でうまく溶けずに胃潰瘍を起こしたりします。水は薬が溶けて効果をあらわすための重要な役目を持っています。水分の制限をされている方以外は、コップに一杯程度の水で服用して下さい。ただしトローチ剤や舌下錠は水を使う必要はありません。
◎薬を寝そべって飲まないで下さい。 夜、寝る前などに横になって薬を飲んだりすると、薬がのどや食道にへばりついて、そこで溶けてしまい、その部分が潰瘍になったり、誤って気管に入る危険性があります。ですから寝たきりの老人に薬を飲ませるときは、上体を起こして飲ませるようにして下さい。
◎錠剤・カプセルは、かまずに飲んで下さい。 飲みにくいなどということで、錠剤をかみつぶしたり、カプセルをはずして飲む人がいますが、このような事はやめて下さい。なぜならば、薬によっては、胃で溶けずに腸で溶けるようにしたり、長時間にわたって少しずつ効くように工夫されているものもあるからです。また、含まれている成分が苦味や刺激のあるものもあります。どうしてもそのままでは飲み込めないという方は、医師または薬剤師に御相談下さい。
◎薬を牛乳などで飲まないで下さい。 薬によっては、牛乳に含まれているカルシウムが中の成分と結合しやすいものがあり、薬の成分を溶けにくくしてしまいます。溶けないと吸収されないため薬の効果が出ません。また乳幼児の場合、ミルクに混ぜると味がおかしくなり、ミルクの飲みが悪くなったりするので、湯冷ましが良いでしょう。余談ですが、以前は鉄剤はお茶で服んではいけないと言われていた事もありましたが、最近では、普通に飲む程度では心配しなくて良いと言われています。
◎薬を飲んだらお酒を飲まないで下さい。 お酒は肝臓で分解されますが、薬の代謝をつかさどるのも肝臓です。お酒と薬を一緒に飲むと、肝臓に大きな負担をかけることになります。またお酒と薬を一緒に飲んだ場合、思わぬ副作用があらわれ、体に重大な悪影響を及ぼすことがありますので、くれぐれも心して慎むことが肝心です。ただし、「今日は晩酌をしたから薬は飲まない」というのも困ります。どうしても飲みたいという方は、主治医と御相談下さい。
◎薬を飲み忘れた時は、勝手な判断をしないで下さい。 薬によって、また患者によって対処方法が異なる場合がありますので、医師または薬剤師にご相談ください。自己流の判断は危険です。くれぐれも、指示された用法と用量を守り、「飲み忘れたから・・」と2回分をまとめて飲んだりしないで下さい。
◎医師の指示を守りましょう。 指示を守らずに自分勝手な判断で、「この薬は効かないから飲むのをやめよう」、「もう治ったから薬はいらない」、「はやく治りたいから2回分をまとめて飲んでしまおう」などということはやめて下さい。医師は、患者さんが指示の通りに飲んでいるものとして、治療の経過をみています。正しい診断が出来なくなるばかりでなく、危険な副作用が起こることも心配されます。
◎複数の診療科に受診されている方へ。 複数の医師より処方された薬は、薬の相互作用により、副作用がでやすくなったり、薬の効果が強くなったり、弱くなったりする場合があります。このような危険な飲みあわせをチェックする方法の一つに、院外処方箋を利用するという方法があります。くわしくは医師または薬剤師に御相談ください。
紙面の関係でここに載せきれない事も多々あると思いますが、少しは参考になったのではないでしょうか。次号以降にご期待下さい。
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